用途
配管系統の局所損失(形状損失・マイナーロス)は、エルボ・T字管・弁・縮小・拡大部など流路形状が変化する箇所で発生します。直管摩擦損失と並んでシステム全体の圧力損失を構成する重要な要素であり、ポンプ揚程の選定や配管径の決定には継手損失の積み上げが欠かせません。本計算器はK係数法(抵抗係数法)により各継手の局所損失を定量化します。
主な用途
- エルボ・T字管・レデューサを多用する複雑な配管系の全圧損評価
- ポンプ揚程・必要動力に対する継手損失の寄与度の把握
- 制御弁・遮断弁を含むライン抵抗の見積もり
- 相当長法(L/D)とK係数法の換算・相互チェック
計算式と方法論
各継手の局所損失は、速度水頭にK係数を乗じて求めます。水頭表示では次式となります。
h_L = K × v² / (2g)(圧力表示では ΔP = K × ρv² / 2)
ここで K は無次元の抵抗係数、v は管内平均流速[m/s]、g は重力加速度 9.81[m/s²]、ρ は流体密度[kg/m³]です。相当長法では K = f × (L_eq / D) の関係により等価直管長 L_eq に換算でき、Crane TP-410 などの基準値を用います。複数継手では各 K 値を合算して全局所損失とします。
主な継手のK値の目安: 90°エルボ(ショート)K≈0.9、90°エルボ(ロング)K≈0.6、45°エルボ K≈0.4、T字管(分岐)K≈1.8、T字管(直流)K≈0.6、ゲート弁(全開)K≈0.1、グローブ弁(全開)K≈10、チェック弁 K≈2.5。
前提条件と制限事項
- 十分に発達した単相・定常乱流を前提とする
- K値はレイノルズ数・口径・継手形状により変動し、低Re域では増大する
- 継手が近接して連続する場合は相互干渉により単純合算と一致しない
- 速度に同じ基準径(多くは小径側)を用いる必要がある
設計上の注意点
グローブ弁やチェック弁は単独でも直管数十メートル分に相当する損失を生むため、配置の見直しで大きな省エネ効果が得られます。K値は文献により幅があるため、安全側の値を採用するか設計マージンを見込んでください。継手損失は流速の2乗に比例するので、流速を抑える配管径選定が全体最適につながります。