充填層圧損計算ツール

プラント・プロセス設計向けエンジニアリング計算ツール · 最終更新: 2026年3月

Ergun式により充填層の圧力損失を計算します。粒径・空隙率・流体物性・充填高さを入力として、層全体の圧損を求めます。固定層反応器、吸収塔、吸着塔の設計・評価に活用できます。

この計算ツールの用途

充填層は化学反応器、吸着塔、乾燥装置で広く使用されています。 流体が充填粒子を通過する際、摩擦と流路の屈曲により大きな圧力損失が発生します。

本ツールは充填層の圧力損失を推算し、ブロワー・圧縮機・ポンプのサイジングや 運転圧力マージンの確認に使用されます。

主な用途

  • 充填層反応器・吸着塔の予備設計
  • 必要ブロワー・圧縮機圧力の推算
  • 粒子径・空隙率の影響評価
  • ファウリング・充填劣化による圧力損失増加の確認

計算式と方法論

本ツールはErgun式に基づき、粘性項と慣性項を組み合わせます:

ΔP / L = (150 · μ · (1 − ε)² / (ε³ · dp²)) · v + (1.75 · ρ · (1 − ε) / (ε³ · dp)) · v²

この式は広いレイノルズ数範囲で適用可能で、 ガス・液体両方の充填層流れに一般的に使用されます。

前提条件と制限事項

  • 均一な粒子径と充填
  • 定常・単相流
  • チャネリングや偏流なし
  • 小径カラムの壁面効果は考慮しない

設計上の注意点

実際には、ファウリングや粒子破砕により圧力損失は経時的に増加する傾向があります。 連続運転では設計マージンを適用してください。 重要なシステムではパイロットデータやベンダー保証を推奨します。

計算例

条件:

  • 球形充填物 dp = 5 mm、空隙率 ε = 0.40
  • 空気(ρ = 1.2 kg/m³、μ = 1.8×10⁻⁵ Pa·s)、空塔速度 v = 0.10 m/s
  • 充填高さ L = 2.0 m

方法: Ergun式: ΔP/L = 150·μ(1−ε)²v/(ε³dp²) + 1.75·ρ(1−ε)v²/(ε³dp) ≈ 61 + 39 = 100 Pa/m。

結果: 充填層2 mで ΔP ≈ 200 Pa(≈ 0.2 kPa)。

解釈: ここでは粘性項と慣性項が同程度(遷移域)です。結果は1/ε³項を通じてεに支配され、層の沈降や微粉でεが0.40→0.35に下がると圧損は約50 %増えます。設計には理想値でなく実充填時の空隙率を用います。

よくある誤用・注意点

  • 空隙率を当て推量で使うこと — Ergun式の項は(1−ε)²/ε³および(1−ε)/ε³に比例し、0.40→0.35の誤差でΔPが50%以上増えます。
  • 不規則充填に球形度補正なしで公称粒径を入れること — 粘性項を支配する有効径が偏ります。
  • 空塔(みかけ)速度の代わりに間隙速度を使うこと — Ergun式は空塔基準で記述されています。
  • 浅い層や管径対粒径比が小さい場合(D/dp < 約10)に適用すること — 壁面チャネリングで予測が楽観的になります。

よくある質問

Ergun式とは?

Ergun式は粘性項(Blake-Kozeny)と慣性項(Burke-Plummer)を組み合わせて充填層の圧力損失を予測します。幅広いレイノルズ数範囲で有効で、固定層設計の標準的方法です。

空隙率は圧力損失にどう影響しますか?

圧力損失は空隙率εに極めて敏感です。Ergun式は(1-ε)²/ε³と(1-ε)/ε³に比例する項を含みます。空隙率のわずかな減少(例:0.40→0.35)で圧力損失が50%以上増加し得ます。

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利用上の注意
  • 更新: 2026年3月
  • 用途: 予備エンジニアリング検討支援

本ツールは教育および概算検討を目的としています。計算結果は、前提条件、入力値、流体・材料物性、使用式の適用範囲によって大きく変わる場合があります。設計、調達、製作、運転、安全上の判断に使用する前に、重要な計算は必ず独立して検証し、適用規格・仕様書および正式な設計レビュー手順に従ってください。